2017年10月3日

治療?予防?

こんにちは、広島県福山市 はなえみ歯科 副院長の平田まどかです。

欧米の映画を見ていると、

『私、今日は歯のメンテナンスなの』というセリフをよく耳にします。

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欧米と日本には保険制度の違いがあります。

欧米はいわば自動車保険のようなもので、リスクが高かったり、過去に事故を起こした方は保険料が高くなるシステムです。

そのため、メンテナンスをしっかりと受けて、健康を維持しようとしています。

もちろん、綺麗で健康的な歯を重視する文化ということも関係しているでしょう。

ただ、問題点としては、保険未加入者の増加による医療の格差があります。

日本には国民皆保険という素晴らしい保険制度があります。

患者さんはいつでも困った時に少ない負担で治療が受けられ、歯科医師も歯を削る、詰めることによって収入が得られるわけです。

素晴らしい制度だと思いますが、あえて予防に時間やお金を使おうと思わなくなってしまい、その結果、日本では今日まで治療中心の歯科医療が当たり前になっています。

もう一つ、歯科の保険で決められている診療報酬は医療費の増加なども影響し、欧米と比べるとあまりにも安いのです。

そのため、保険診療では短時間で多くの患者さんをみて収益を出すということになってしまいます。

歯科材料や治療方法の進歩に追いつかず、保険診療では最良と思われる治療が提供できない問題も出てきます。

日本人は痛くなってからの治療の繰り返しの結果、本当に多くの治療をし、多くの歯を失っています。

歯医者は早くて安くて直ぐに終わる。それが良い歯医者だと思うのではないでしょうか。患者さんも、そして私たちも短時間でよい治療ができると気持ちが良いものです。

そして、歯科への通院が終わるとスッキリとしますよね!何度も通うのは苦痛!と感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし、歯の治療は完治ではなく、あくまで修理をしただけです。治療はもちろん大切ですが、治療に偏りすぎているのが問題なのです。

治療が終了してやっとスタートをきったのです。

メンテナンスは、単なる虫歯チェックやお掃除ではありません。

バイオフィルムによって引き起こされ、細菌感染症である虫歯や歯周病を防ぐために、それを破壊する目的があります。そして、日々のセルフコントロールが効果的に行われているか管理する目的もあります。

治療のみを繰り返してかかった費用と継続的な予防メンテナンスにかかった費用はほぼ同じという調査結果があるようです。もっと良い治療をしようと思うと、更に高額な治療費になるかもしれません。

経済的な負担は同じでも口の中の状態は大きく違います。治療の末に残った歯が人工物か、メンテナンスで健康的に維持された天然の歯かという違いは大きいと思います。

はなえみ歯科では、なんとか患者様に健康維持の大切さに気づいていただきたいと試行錯誤をしています。

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いつか、

『はなえみ歯科に通っていたから、なんでも美味しく食べる事ができました』と患者さんと笑いあいたい!

それには実感がわかない長い年月がかかると思います。

私たちが見ているのは未来です。

真に患者さんのお役に立てるように、その信念が揺らがないように継続していこうと思います。